桐について

私(渡辺)がC&Cを起業するに至ったのは、管理工学研究所のデータベースソフト「桐」との出会いがあってのことです。

あれは1990年。ふと手にした専門誌に付属した桐の体験版を試用してみると、当時使っていたプログラム開発言語で170行近くを要した処理が2行で出来る。この差は圧倒でした。その当時のハード性能で他では見られないほどの美しい画面に魅了されたものです。

創業した1991年はバブルの余韻が色濃く、当時を思い起こすと日本中みんながラテン系だったように思います。1995年にWindows95が発売された時のお祭り騒ぎは記憶されていらっしゃる方も多いでしょう。1999年は2000年問題特需があり、2007年ごろまでは「いざなみ景気」と呼ばれる「実感なき景気回復」期がありました。そしてリーマンショック、大震災、円高、と荒波に揉まれながらアベノミックス景気拡大期に移ります。

様々な事があった年月に桐も(時に亀のごとく)バージョンアップを重ねてきました。

以下は桐のバージョンアップ発売年の抜粋と私見です。

1986年 初版

1991年 Ver.3(私が出会ったバージョン)

1994年 Ver.5(桐の黄金期)

1999年 Ver.8(実質的に初のWindows版)

2002年 Ver.9(UIが管理工学オリジナルになって使いやすく見やすい)

2011年 Ver.9-2012(円熟の域)

2002年から2011年までのメジャーバージョンは変わりませんが、少しずつ機能が増えアップデートは無料、とありがたい取り計らいが続きました。

数年前、1990年に桐V3で開発された業務システムを桐10にバージョンアップしました。驚くべきは下位互換性です。データファイルは、ほぼそのまま使え、プログラムファイルも基本部分は流用できました。

そして、Windows版になり画面操作の自由度が飛躍的に高まり、使いやすいシステムに「仕立て直す」ことが出来ました。ネットワーク上でファイルを共有使用することも難なく行えますし、プリンターも現在のWindows対応プリンターが全て使え、DOS時代の制約を懐かしむほどです。

当社の微々たる経験と歴史から言えることは「業務環境が変われば業務システムも変える事になる」ということです。冒頭に30余年を簡単に振り返ってきましたが、本質的に変わった・あるいは新たに現れた機器(デバイス)やサービスは意外と多くあると思います。

1990年代にパソコンを使っていた人は、真の開拓者といえるでしょう。あるいは100万するパソコンを自腹で買い、仕事に役に立てるために勉強してプログラムを作りました。今ポッケットに入るスマートフォンは、おおざっぱに言えば、20年前の技術をソフト的には元に見た目をカンタンにカッコよくした超小型パソコンです。

さて、もう一度見渡してみると(本質的に)変わっていないものもあります。家庭でみると、エアコン、冷蔵庫、テレビ。。。それぞれ省電力になったり薄くなったりしていますが、使途は同じ。多分40年前からあったお宅もあるでしょう。

職場ではどうでしょう。20年前にFAXはだいぶ普及していたことと思いますが、パソコンはまだ珍しく、「買ったけど使いこなせていない」という声を聞くこともありました。掛ける回数が減ったでしょうが電話は今でも20年前と同じように使われています。現在の職場でパソコンが事務処理で扱うデータは文字や数値が大半かと思いますが、マルチデバイスの普及に伴いこれまでとは違った分野で業務の効率を大きく向上させることでしょう。

このまとまりのない文章をまとめることにします。

1.ある時期にそれまで無かったデバイスやサービスが現れる。

2.新しいデバイスが現れて、無くなっていく既存品もあるし地層が積み重なるようように併用されるものもある。

「不易と流行」という言葉があります。本質的なものと変化するもの。C&Cの仕事の一つが、この不易と流行を見極めることです。社内業務の不易と流行に対応する、人間の業務に寄り添える業務システムを作れるソフト。業務環境の変化に応えられる、まさに「柔らかい」ソフト。C&Cは、桐をそれを成すための大切なツールである、と捉えています。

2013年10月、桐ユーザーの皆さまのお手元と同じく、当社にも桐9sの販売案内DMが届きました。消費税対応、桐資産の活用支援向けコマンドが追加と実務的な機能の充実がされています。案内によると、”「仕事の基盤」ソフトとしてこれからも機能を追求していく”との由。そして”Unicodeの完全対応や表サイズの拡張など桐のリニューアルを勧めていて近々新しい桐が登場する”とアナウンスされました。文字と数字を扱う業務に、こえからも使っていける桐の今後に期待します。

桐9sから一年後、予告通りのパフォーマンスを身に纏った桐10が発表されました。予告以上だったのが文字コード。ユニコードに加え異体文字を扱うための技術「IVS」にも対応しました。これにより官公庁で使用している名前や、今後追加される文字も扱うことが出来ます。

そして2017年9月、桐10sが発売されました。入力領域を持ったPDFフォームの作成と、入力された内容を再取り込みする「桐PDFブリッジ」機能が追加されました。桐6から9までのデータコンバートに対応し、過去の資産継承がさらに容易になりました。

日本のPC文化とともに歩んできた桐が活躍する状況がさらに広がります。
お客様がお使いの桐がこれからも使い続けることができるよう、C&Cでお手伝いさせてください。